沿革

背景

1968年(昭和43年)、戦後の大学教育に大変革をもたらした、大学紛争の始まりである。この紛争は大学教育、特に英語教育を中心に掲げてきた出版社にとって、危機存亡を招く重大事であった。

 全国的に蔓延していったこの紛争は、大学構内の封鎖、授業ボイコット等々、更に翌69年には高校紛争へと飛火し、教育界は正に泥沼化の時代を迎えた。この有事が当協会を設立する大きな要因となった。それ以前、個人的なコミュニケートのみで、業界への大局的な見方、情報も極めて希薄であった。この危機感の中で、協会の設立が促されてきたのは、自然の成り行きであった。

設立と歩み

 当時関連業者30数社への設立趣旨を配布、内20社の協力を得、1972年大学英語教科書協会(大英協)は設立された。この設立趣旨は、単に企業の営利追求に偏らず、より良き教材の開発、相互の情報交換、更に相互の親睦等を図るものとされていた。設立後、協会に関わる幾多の問題も、加盟社の協力の元に解決してきた。当時の出版界は、業者間の取引問題をはじめとし、多くの問題を抱えていた時代でもあった。73年に始まるオイル・ショックによる狂乱物価の時代も無事乗り越えた。この間、協会の共通テーマとして、各社刊行の年度版カタログの共同発送も取り上げてきた。その結果、77年に協会加盟社の共同目録第一号が誕生した。爾来この共同目録は、2002年(第26号)まで活字媒体として継続し、英語教育に携わる多くの関係者の注目を浴びて来た。協会創立43年、21世紀を迎えた今日、教育界の変貌は想像もつかないが、当協会も時代の趨勢に応じ、活字による共同目録に変え、以後出版情報のネットワーク化を図り、真に関係者のニーズに応えられるよう鋭意努力していきたい。